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『良い行いをする』とは

 あなたは、施しをするとき、右の手のしていることを左の手に知られないようにしなさい。                              マタイ6-3

 有名な聖書の箇所です。今日はこの箇所から、真也的角度で切り込んで見たいと思います。新共同約では見出しに『施しをする事とは』という題が付いています。この箇所は最初次のような言葉で始まります。
 『人に見せるために人前で善行をしないように気をつけなさい。そうでないと、天におられるあなたがたの父から、報いが受けられません。』
人に見てもらうためによい行いをするなというのです。その理由として、天のお父さんから報いを受けられないと、、、。さらにそういうものは『偽善者』だとまで続けます。これを読んだ方、”えっ、良い事をしたらちゃんとした評価を受けるの当然じゃない”と思われるでしょう。クリスチャンであれば後半にあるように、この世で評価を受けなくとも天の国でしかるべき慰めがあると考えるでしょう。もしくは地上にあって、世から拒絶されたとしてもたとえようがない天からの平安があるのを体験的に知っているでしょう。今日お話するのは、もっと現実的に違う角度からこの聖句を味わってみたいと思うからです。
 『施しをする』これはたいてい、恵まれた者から恵まれない者もしくは、力を持っている者から持たない者へされる行為です。善行をするでもそうでしょう。イエスはこのような行為に対して偽善にならないように、人に知られるようにするなと言うのです。この言葉は施す側への注意であると共に、施される側への配慮であるように私には思えます。
 施す立場にいるものは社会的に強い立場にある者です。そういう立場にあるものが社会通念上『良い』と思われる行いをした場合、たいてい賞賛されます。もう少し、小さい枠で見てみましょう。たとえば私は3児の父です。子供を育てる時、愛情を持って出来るだけ良い事(教育)をしてあげたいと思います。子供に『お前を愛してるよとか、大事だよ』と言ってあげる事は大切な事です。しかし同時に私の愛は完全ではない事を強く意識いたします。前に妻愛理が祈りという文の最後で『私たち親はもしかしたらこどもを裏切ってしまうことがあるかもしれないけど』と書いていましたが、まさにその事に対する危惧なのです。
 もし親が子供に(子供にとって親は圧倒的に力のある存在)愛してるよといいながら、それがそうではない場合、、、。それは子供にとって強力な暴力になります。なぜならそれを受けるほうが、それを拒否できないからです。素直でまじめな子供であるほど、親の期待に応えようと健気に努力いたします。それを親の愛情だと頑なに信じて、、、。
親子でなくとも関係の強弱、上下に差がある場合、その行為に『正しい事、良い事』のファクターがつくと、受ける側がそれを自由に解釈するのが難しくなります。
 私の言いたいこと、伝わっているでしょうか? 私が誰かに何かをしたいと思うとき、『あなたの事思ってるからとか、大事だから』とかは言いたくありません。なぜならそれを受ける人が拒否できる自由を残しておきたいと思うからです。どんな事も、私のわがままだと表現します。元来そういうキャラクターが私には合っていますし、、、。実際誰かに何かしたいと思った時は、考えるよりも早く強引にしてしまいますが、ただ強者の立場にある場合、正当性を主張しないように注意しています。
 水谷恵信師は、次のように語っています。
『先生だけは信用できますよね』とクッと目を見て語られて、相手を見返すことが出来ない。『おれも人間だ。お前を裏切ることもあるかもしれん。たとえ、ぼくが君を裏切っても、神は、君を裏切ることはないよ。ぼくが君を裏切り、君に不利益を被らせたとき、神は、ぼくを裁いて君を救ってくださる。だから、ぼくを支えておられる神を信じてくれ。神は、ぼくを生かして用いておられる。ぼくは、時至って君を裏切ることがあるかもしらん。神は、ぼくを罰して君を助けてくださるから、君は安心だよ』  と

 私たちは、罪を持っておりどんなに努力したとしても完全にはなれません。ですが、それをそのままで受け止めてくださる確かなものに寄りかかって生きる時、人に自分を良く見せようとする必要がなくなり、ありのままを表現する事が出来るようになるでしょう。そしてそこには豊かな出会いが待っています。
                        ひとつひとつの出会い交わりを感謝して
by dynabooksx | 2004-07-06 16:36 | 真也の視点

真也の歩み、愛理の子育て日記。私たちは福島第一原発5kmの双葉町民。時代は動く。私たちはその目撃者になる。画像のペレット&薪ストーブは、真也の施工作品。新天地を暖かく燃やし照らしてくれる。
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