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洗礼を受けるということ

 私は、救世軍という教派に育った。キリスト教プロテスタントの一派だが実は、通常重要なものとされる洗礼、聖餐の儀式を持たない。聖餐については弱い者のための形~聖餐~の所で書いたが、洗礼については、イエスを救い主と信じる信仰によって、つまり聖霊のバプテスマによって救われるという立場をとっているのだ。(その代わりに、信仰を告白する兵士入隊式というのがある)そんな救世軍も最近変わってきているようで、救世軍人が他の教会で聖餐を受けても良いという通達が、万国本営からしばらく前に出たようだ。なんだ、今頃そんなことを言っているのかという感じだが、100ヶ国以上で活動している団体が全体として共通の声明を出すのは、大変なものなのだろうと思う。そんなものが出るよりも前に、私が信仰の弱いもののための恵みとして聖餐にあずかっていたのは 言うまでもない。
 そのような教派で育ったため、洗礼というのはすでに過去のもので必要のないものと思っていた。しかし、愛理が半年ほど前から私に洗礼を受けたいと話してきており、自由にしなさいと言ってきたのだが、吉田先生との交わりから私もふと考えるようになって来た。愛理にとって自分が育った所と、それ以外の教会(最初に言った土浦めぐみ教会)は別世界であり、彼女はそこで信仰をもって生きることの強い喜びと自由を知った。その後、福島の教会に行くようになるのだが、時間を追うごとに改めて自分の信仰をはっきりと告白し、イエス様も行った水によるパプテスマを受けたいと願うようになったのだ。早くそれをやりなよ、と私も勧めるのですが、救世軍の牧師の娘である彼女は両親を気にしてなのか、なぜかいまいち踏み切れない。実は、私が興味があるのは洗礼のため、どんな準備をするのかということである。愛理がその準備をするのなら、私も横でそれを覗かせてもらうつもりでいた。
 最近、私が毎日のように教会に行っているのは過去の記事を見れば分かると思うのだが、吉田先生との分かち合いの中で、彼は真っ直ぐに私に洗礼を受けてほしいという気持ちを伝えてくれた。人に強いられると絶対に従わないという私の性格を知っている彼が、それを伝えるのは勇気が入った事だったと思う。まだ突っ込んで議論していないため、正確に彼が何を意図しているのかは分からないが、前向きにそれを捉えたいと思う。私自身、洗礼それ自体はただの儀式であってそれによって人が救われるのではないと思っている。(当たり前か、、、) 本来、洗礼を受けることと教会員になることは別であって、分けられるべきものだと思うのだが、彼はどちらを勧めているのだろう。こんな所で問いかけ出してごめん。
 私は、多分教会員になる方のことを考えての事だと思うのだが、(吉田先生それに従属する必要はありません)もしそうだとするとこれから先、伝道のパートナーとして共に活動するのにそのほうが都合がよいからではないかと考えられる。それならば私はOKだ。人に強いられる事は絶対嫌だが、十字架が述べ伝えられる為なら事情が違う。どんなNOもYESになる。使徒パウロについてみて見よう。
 彼はエルサレムでの使徒会議(使徒行伝15章)の時、異邦人にも割礼を受けさせるべきだという意見に激しく反発した。しかし16章を見ると同行するテモテに割礼を授けている。なんだ、言ってることとやってることが違うじゃないかと思われるかもしれないが、これが彼の着目点を明快に示していると思う。つまり、割礼を受けるか受けないかという事、それ自体にこだわりを見せているわけではないのだ。福音宣教、十字架のためそれが必要ならそれをするという柔軟な態度を持っていた。反対にそれを疎外するものなら徹底的に批判するという姿勢も、、、。そのことを思うとき、私も洗礼を受けることがこの地で十字架が伝えられる為に必要なことなのなら、喜んでそれを受けたいと思う。
 実際、私達がどれだけの時間ここに留まれるかは分からない。しかし、今私はこの教会に使命を感じ始めている。もっと、皆さんと交わりし、十字架を語り合いたいし、人も連れてきたい。そして何より、吉田先生と共に福音の力をさらに体験したい。今はそんな気持ちです。

追伸  ついでのようで申し訳ないのですが、最近よく話題に上っている吉田先生がブログを始めました。横にリンクも置いてありますがあらためて紹介させていただきます。
ルークのささやき   私の文と平行して読むと、つながっていて面白いと思います。
by dynabooksx | 2004-09-10 06:37 | 真也の視点

真也の歩み、愛理の子育て日記。私たちは福島第一原発5kmの双葉町民。時代は動く。私たちはその目撃者になる。画像のペレット&薪ストーブは、真也の施工作品。新天地を暖かく燃やし照らしてくれる。
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